先日のドラゴンズ戦で、延長10回表に中田廉投手がドラゴンズ松井選手に決勝2ランホームランを浴び敗戦投手となってしまいました。春先はリリーバーとして素晴らしい活躍をしてくれましたが、交流戦後半の6月からは調子が下降しております。
防御率を見ていくと、3月4月は0.00、5月は1.26に対して6月は4.50、7月は9.00と跳ね上がっています。ちなみにどの月も投球イニングは10~14イニングで、試合数を考慮しても登板が多い月、少ない月というバラつきはありません。

防御率が悪化した6月以降、成績で目に見えて悪化したのが被打率です。3月4月が.149、5月が.184に対して6月が.297、7月は.391に跳ね上がっています。四球率は特に変化はないため、単純に「打たれるようになってきた」の言うことが言えると思います。

ではなぜ打たれてしまっているのかというと、球威の低下や制球などいつくかの要因があるかとは思いますが、私が1つポイントに挙げたいのはツーシーム(シュート)になると思います。
今シーズンの中田投手はツーシームの精度が上がり、ここまで大車輪の活躍をしてきました。ツーシームとはご存知の通り、サード方向へ横にスライドするボールで、ストレート系統となります。球速もストレートと近くストレートと軌道から右打者なら内角をえぐり、左打者には外角へ逃げていくという性質のあるボールになります。

ここ最近の中田投手のツーシームを見ていくと、曲がり方が安定しないように思います。曲がり方が安定しない場合、曲がり方が大きすぎてボール先行や右打者に死球を与えることが多くなったり、逆に曲りが小さすぎて真ん中付近にボールが集まってしまう場合があります。
中田投手の場合には後者で、曲りが小さいためにちょうど打ち頃のボールになってしまう事が多くみられます。ツーシームは球威としてストレートよりも少々落ちます。これはストレートに比べて回転数が少なく、空気抵抗が大きくなります。それによって球威という意味ではストレートほどは無く、引き換えに少々変化が生じます。よって空振りを奪うボールでは無く、芯を外してゴロを打たせることを目的としたボールなのです。

つまりこのツーシームは、何らかの理由で曲りが小さくなってしまうと、打者にとっては打ち返すのは容易なボールになってしまいます。曲りが小さいと言う書き方をしましたが、もともとツーシームは曲りが小さいため、語弊がある書き方かもしれません。ほとんど曲がらないと書いた方がいいかもしれません。

ではなぜこのように中田投手は苦労しているのか、という事になりますが、いろいろな要因があります。
中田投手のフォームは比較的テイクバックが大きいフォームです。わかりやすく言うと、投球時に首と右腕の距離が比較的離れているというようなイメージです。そうすると右肩や腕にかかる遠心力が大きくなりますので、非常に肩と腕に負担かかります。
負担がかかれば、他の投手に比べ疲労も溜りやすくなりますし、怪我のリスクも上がります。疲労が溜まればパフォーマンスも落ち、打ち込まれてくるシーンも多くなるでしょう。

いきなりフォームを改造するのは困難ですから、今はどれだけうまく疲労を抜くのか、その方法を見つけないといけません。例えば1度抹消し10日間リフレッシュするのもいいでしょうし、肩を作らず完全休養する日を2日程度設けてもいいでしょう。
あるいは酸素カプセルなどの器具を導入したり、ウェイトを少なめにするなどトレーニングの改善もいいと思います。

どんな投手であってもこの時期は勤続疲労が付きまといます。1年間リリーバーとして活躍していくためにはこれを乗り越えなければいけません。調整方法を少々変えることで復活はできるかと思いますので、これから夏場の戦いに向けて春先の投球を1日でも早く取り戻してほしいと願うばかりです。



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