大瀬良大地投手ですが、交流戦前までの防御率が2.63と大活躍を見せてくれましたが、交流戦中は6.86、交流戦後は5.74と苦しんでいます。これが不調なのかそうでないのかという事になりますが、下記の点、大瀬良投手に関して今日は書いていきたいと思います。


まず配球割合は、ストレート52.66%のほか、カットボール23.77%、スライダー13.90%、チェンジアップ4.84%、カーブ4.84%となります。この配球から分かる通り、ストレートとカットボールで全体の75%以上を占めている事になります。
ストレートとカットボールは勿論違う球種になります。しかし系統で言えばどちらもストレート系という括りになります。もちろんストレートの球威が非常に良く、バックスピンがかかった回転軸がぶれないストレートを投げているうちは、この2種類の球種でも抑えていくことは可能でしょう。
しかし疲労や登板数が多くなっていくとなかなか本来の球威のがあり、質のいいストレートを投げていくことは難しくなってしまいます。そうなるとストレートで押してカットボールをゴロを打たせるという大瀬良投手のスタイルを維持していくことは難しくなってしまいます。
そこで配球を変えていくことが必要異なるのですが、ストレートとカットボールで75%占める配球割合ですと組み立てを変えていくことが難しくなるでしょう。交流戦くらいから大瀬良投手がなかなか思うようなピッチングができなくなっている原因の1つがこれになります。
大瀬良投手はエースである前田健太投手にスライダーを教わったと言います。いや、教わったというよりか修正してもらったと言った方が正しいかもしれません。いままでの大瀬良投手が投げていたスライダーは、正直な話キレが良くなかったと言えると思います。曲がり方が緩やかであったり、変化をするタイミング早すぎたりというスライダーです。前者はカーブのような軌道のスライダー、後者は手前でワンバウンドするようなスライダーと表現すると分かりやすいかもしれません。スライダーを投げるときのボールの切り方が甘いのだと思うのですが、そのあたりを前田投手が指摘したのでしょう。
14日のベイスターズ戦では、その前田投手からアドバイスをもらったというスライダーが非常に有効なボールになっていました。打者の手元で鋭く曲がっていくスライダーに進化していたため、有効なボールになりうるでしょう。
あとはこのスライダーをどのように使っていくか、これ次第で投球幅が非常に広がっていく可能性があります。例えばストレートのキレがイマイチの時には、ストレートを見せ球として使い、スライダーとカットボール中心の配球に切り替えていくことが可能です。スライダー1つでモノにできれば、捕手もリードする引き出しが1つや2つ増えることになります。そうすると調子が少々悪くてもゲームを作る事ができ、その結果勝ち星も伸びていくはずであります。



またピッチングに関する考え方も、少し考えていく必要があるでしょう。簡単に言えばストライク率です。詳しい計算を行っていないので何とも言えないのですが、大瀬良投手はストライク率が非常に高いように思えます。特にストレートのストライク率は80%程度あるかもしれません。1人の打者との対戦では、ボール球を3つまで使うことが許されます。よって6球投げてフルカウントで三振を奪っても、ストライク率は50%ということになります。よって大瀬良投手がいかにストライクを取っていける投手であるか、ということが分かります。
もちろんストライクが取れるというこは非常に素晴らしい能力であると私は思います。中にはプロ野球の世界に入ってきても、1軍の舞台でなかなかストライクを取れずに苦労する投手もいます。しかし「ストライク率が高い=制球力が高い」訳では必ずしもありません。
つまり何が言いたいのかというと、大瀬良投手はストライクゾーンで勝負する割合が非常に高いのではないか、ということです。つまりストライクゾーン付近で勝負に行けば、それだけ打者から見ると打ちやすいボールになります。もちろん藤川球児投手のように「分かっていても打てないストレート」であるのならボール球を投げる必要は無いのかもしれません。
しかし大瀬良投手のストレートはレベルは高いとは思いますが、まだ藤川投手のようなストレートではありませんから、ストライクゾーンだけで勝負することはできません。ボールゾーンに投げてファールを稼いだり、インローにボールを投げ込み、打者のステップを邪魔したりという事も重要になってくるかと思います。
「ボールゾーンへ投げることもできる力」も制球力の1つであると考えるべきでしょう。いかにボールゾーンへ投げる能力を身に着けるかも大瀬良投手がこれから勝てる投手になるになるためのポイントであると見ています。


もちろんストライク率が高いという事、それも投手の長所です。たとえばB2-S0やB3-S1といった投手が不利と言われるカウントのときでもストライクを取っていける能力があるということになります。
しかしプロで勝てる投手は、ストライクも取ることができますし、ボールゾーンにしっかりと外すこともできます。もちろん交流戦後結果が出ていないのは、ルーキーで開幕から先発ローテーションを守ってきた蓄積疲労も否定できませんし、新人投手としては本当に良くやっていると思います。1段階も2段階もレベルアップし、勝てる投手になるためにレベルの高い投球術も身に着けてもらいたいと思います。



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